日常のなかのしあわせをあつめて生きていたい
わたしは自分の家がすごく好き。
とくにキッチン。
学生時代から料理をすることが好きだったけど、
実家のキッチンは母のテリトリーだった。
だから料理をするのも母がいない時だったし、
野菜を買っても野菜室の隅っこに置いていた。
だから、一人暮らしをはじめて、
自分専用のキッチンがあることに、心底うっとりする。
もう4年近くになるのに今でもうっとりする。
引越しの条件の一つはもちろんキッチン。
2口以上コンロは必要だし、できれば魚焼きグリルもほしい。
冷蔵庫も大きいファミリーサイズが欲しいから
それが置けるスペースは必要。
洗い場が狭いのも苦手だから、できれば洗い場は広い方がいい。
そんなことを言っていたらなかなか引越し先が決まらなくてこまった。
でもそれほど、キッチンという場所はわたしの日常のなかのしあわせだ。
コロナ禍で、日常生活に制限がかけられることが多くなった。
自分以外のだれかと、ともにしあわせをみつけることが難しくなった。
公園に料理とお酒を持ち寄って、お昼から夕方にかけてのピクニック。
会社後の気心知れた友人とのベロベロになるまでのお酒。
失恋を思い出して、夜道に泣きながら友人と歩くのが好きだった。
そんな日常を奪われたいま、わたしにとっての日常のしあわせは確実に減っている。
もちろん、自分の家のぜんぶが好きだ。
玄関、置いてある靴、大学の時からあつめている鍋、アクセサリー、
タオル、お皿、植物、ルームスプレー、香水。
ぜんぶ大好きだ。
だって自分の好きだけをあつめた空間だから。
でも、それだけじゃ、それだけじゃ埋められないしあわせがある。
早く世の中にそんなしあわせをあつめられる日常が戻りますように。